東京、軽井沢、京都、イギリスで約13年間、修行を重ねた銀純洋オーナーが日本料理と仏料理の調理法でつくるオリジナルの和食フレンチ〝瀬戸内キュイジーヌ〟を提供する。カウンター越しに見えるいろりや木を基調とした和の落ち着いた雰囲気が特徴で、肩肘張らず女性1人でも来店しやすい店づくりを目指す。オーナーは県主催の料理コンクールでファイナリストに選出されており、商工会議所や日本政策金融公庫での講談や、地元企業主催の料理教室の講師なども務める。
「技術面で地方の飲食店にもまだまだできることがあると実感しています。真空調理や低温調理、瞬間薫製など、一般的な食材に最新の技術を使い、求めやすい価格で提供することで広島の食文化向上に努めたい」
瀬戸内の魚介類や野菜など旬の食材を使った全7〜8品のコース「かしはら」5000円が人気という。
1月13日、サンフレッチェ広島と包括連携協定を結びました。これまでもインターンシップやキャリア教育、カリキュラム面での連携実績があるほか、自ら課題を見つけて解決できる人材を目指す「興動館プロジェクト」の一環でスポーツを通じた地域活性化に取り組んでいます。学生の成長に大きなプラスとなっているようです。
昨年11月には「サンフレフェスタ2020」を開催。子どもたちにサンフレの魅力を知ってもらうとともに、新型コロナに負けずに広島のまちを元気づけたいと、学生たちが企画しました。今後は、学生が選手から人間性や努力する大切さを学べる機会などを検討。卒業生も集めてスタジアムを紫一色に染めるプロジェクトもいつか実現したい。さまざまな可能性があり、楽しみです。
サンフレの仙田信吾社長から女子プロチームを結成して今秋開幕のウィーリーグに参戦すると伺い、お役に立ちたいという気持ちが一層強くなりました。当大学のフットボールパークを練習場所として提供することになり、学生にとっても自分の大学でプロが活動することは誇らしいでしょう。サンフレにはもともと女子チームがなく、まさにゼロからの挑戦。〝ゼロから立ち上げる興動人〟を目指す学生には、チームの勇姿から学んでもらいたい。新たな挑戦には「天の時、地の利、人の和」が必要ですが、チーム結成と開幕のタイミング、練習場の確保、仙田社長の人脈に加えて日本代表クラスの選手が多く集まったことなど、新チームには全てそろっていると思います。優勝をお祈りします。
来年で創刊130周年を迎える中国新聞社が、思い切った経営改革に踏み出す。
その第一にデジタル対応と報道展開を挙げた。3月にメディア開発室を改め、岡畠鉄也社長直轄のメディア開発局とし、同局にデジタルトランスフォーメーション(DX)推進本部の事務局を置く。デジタル事業を「成長戦略」の核に位置付け、DXの波をあらゆる業務に広げていく構えだ。むろん新聞事業が主柱だが、デジタル事業を販売、広告に次ぐ収益源へ発展させる意気込みを見せる。
さらに編集局は、紙とデジタルでそれぞれ魅力的なコンテンツを発信する統合編集体制を推進するため「デジタルチーム」を設ける。デジタル独自のコンテンツの立案、取材、デザインも手掛け、ウェブファーストを徹底する体制を敷く。果たしてDXにつながる扉から何が飛び出してくるのか、相当に具体的なプランを仕込んでおり、年頭の辞で、岡畠社長自らデジタル化へ向けた不退転の決意を示したという。
収益の多元化も目指す。近く西区の井口工場跡地を対象に小売り業者と賃貸契約を結ぶ予定。福山市の旧備後本社でも同様の契約を締結する運びになったほか、廿日市市大野の山あいに広がる大規模な「ちゅーピーパーク」をはじめ、社有財産全体の活用を図るグランドデザインづくりに着手する。
生命線である戸別配達網を堅持する有効策も練る。昨年秋にグループ各社、販売所で「新ビシネス推進会議」を設けた。デリバリー網を活用した宅配・物販サービスの拡充をもくろむ。例えば、有力なブランド商品を集めて新聞チラシで訴求する物販サービスの準備を進めている。若い世代に向けた訴求力向上へ、中堅や若手を中心とした「ブランドプロモーションチーム」を結成し、営業戦略や商品開発を検討中。潜在化していたグループの価値、力を掘り起こし、総動員する狙いだ。
4月から新たな賃金制度をスタートさせる予定。痛みを伴う改革だが、変えるべきは変える、そして時には思い切ってやめる。そうした姿勢が強くしなやかな経営につながると考え、社員みんなの理解を求めた。
中国新聞グループ21社の売り上げは合計779億円に上る。従業員は合わせて約1700人。さらに販売所従業員約6800人を含めると8500人に。新聞・チラシ制作や販売、輸送、放送、広告、人材サービスなど多岐にわたり、地域に根差す。
発行部数は昨年末で55万4000部。2002年をピークに減少傾向をたどり、歯止めがかからない。昨年はコロナ禍によってイベント事業などの多くが中止になった。こうした新聞界を取り巻く厳しい環境に直面し、何もかも総ざらいで見直す機運がグループ全体に広がり、何よりも危機感が大きなばねとして働いたようだ。
昨年、新聞社とグループ各社の中堅、若手でつくる「未来創造会議・将来ビジョン検討部会」は、あらゆる資源を生かす「地域最適」ビジョンを掲げ、「創刊130周年の22年までに新時代に適した会社に生まれ変わる」と提言をまとめた。いまが改革のチャンス。ベンチャー企業との協業事業などを次号で。